譲渡所得の計算例

家売却で発生した収入金額が4，000万円、取得費用が3，000万円、譲渡費用が200万円と仮定して、上述した計算式に当てはめてみましょう。

4，000万円－（3，000万円＋200万円）＝800万円

譲渡所得は800万円となり、この金額に課される税金が譲渡所得税になります。

譲渡所得税の税率

譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって変化することに注意しなければなりません。短期譲渡所得（所有期間が5年以下）の場合の税率は39．63％、長期譲渡所得（所有期間が5年以上）の場合の税率は20．315％となります。

先の計算例（譲渡所得が800万円だった場合）に当てはめた譲渡所得税の計算は以下のとおりです。

●短期譲渡所得

800万円×39．63％＝317万円

●長期譲渡所得

800万円×20．315％＝162．5万円

所有期間が10年以上の場合

居住用不動産の所有期間が10年を超える場合、特例によって税率が軽減されます。この特例が適用されると、譲渡所得が6，000万円までの部分の税率が14．21％に引き下げられるのです。なお、6，000万円を超える部分の税率は20．315％のままとなります。

印紙税

印紙税とは、不動産売買契約書に貼り付ける収入印紙にかかる費用です。印紙税は不動産の契約金額によって料金が変わります。

登記費用（抵当権抹消費用）

売却したい不動産に住宅ローンが残っている場合、売却前にローンを完済しておく必要があります。住宅ローンを完済したら、その不動産に設定されている抵当権の抹消登記が必要です。抵当権の抹消登記は基本的に司法書士に依頼をして行います。この際、司法書士に支払う手数料や登記費用は大体2万円～3万円程度です。

住宅ローン一括返済の手数料

売却前に住宅ローンを一括返済する場合は、繰り上げ返済ということになるので金融機関によっては手数料が発生します。手数料の相場は大体1万円～3万円です。

測量費用

敷地の面積や隣地との境界線が不確定な場合は、家の売却前に測量が必要になることがあります。測量費用の相場は30万円～50万円ほどです。

解体費用

家売却の前に家の一部または不要な建物を解体する場合は、解体費用がかかるでしょう。解体費用は建物の構造によって大きく変わります。木造であれば4～5万円／坪、鉄骨構造であれば6～8万円／坪が相場です。

ハウスクリーニング費用

家の内部の汚れが目立つ場合は、家のクリーニングを行う必要があります。とりわけ壁や水回りなど汚れが目立ちやすい部分には注意が必要です。費用はケースバイケースですが、目安としては5万円～15万円程度をみておくとよいでしょう。

リフォーム費用

家の一部または全体をリフォームしてから売却する場合は、リフォーム費用がかかります。ただし、リフォームは売主ではなく買主の希望で（買主の負担で）実施されることが多いので、家売却前のリフォームの必要性はそれほど高くありません。

廃棄物の処分費用

家売却の前に、不要な家財道具などを廃棄するときは処分費用がかかります。費用は廃棄物の量にもよりますが、大体10万円～50万円程度が相場です。