簡易査定

簡易査定とは「机上査定」とも呼ばれる査定方法で、その名のとおり不動産を訪問して確認することなく、査定を行う方法です。この査定方法では計算によって具体的な買取金額を算出し、その際には以下の3つの計算方法が用いられます。

●取引事例比較法

取引事例比較法では、広さや立地などの条件が近い物件の取引状況から買取金額を算出する方法です。この方法では全く同じ条件の物件を比較対象とすることはできないことから、条件の違いをもとにどの程度の金額をプラス・マイナスするかが重要となります。また、この方法は土地やマンションの査定で用いられることが多いという点が特徴です。

●原価法

原価法では同じ条件の物件を新たに建築した場合の金額を算出し、そこから築年数などの実際の物件の条件を加味した金額を差し引いていく査定方法です。この方法は規模の大きな物件の査定には向いておらず、一般向けの戸建て住宅の査定で用いられる傾向があります。

●収益還元法

収益還元法とは、その物件を投資用物件として利用した場合に、将来どれくらいの利益を得られるのかを算出した上で行う査定方法です。この方法の場合、対象物件は投資対象物件である必要があり、賃貸用アパートやマンションの査定で用いられています。

訪問査定

不動産買取における査定には、不動産鑑定士が実際に対象物件を確認した上で具体的な金額を提示するという方法があります。この方法を訪問査定といい、物件の状態などを査定金額に反映してもらえるという点が大きなメリットです。

査定額が出るまでの所要時間

査定価格が出るまでにかかる所要時間は査定方法によって異なります。上述した簡易査定と訪問査定の2つの方法における所要時間の目安は以下のとおりです。

●簡易査定

簡易査定の場合、上述した3つのどの方法であっても、計算にはある程度の時間がかかるのです。しかしながら、今日では専用のソフトを使用して計算を行っている業者も多く、実際には15分程度で具体的な金額を提示してもらうことができます。したがって、とにかく早く査定結果を知りたいという場合には、簡易査定を選択するのがおすすめです。

●訪問査定

訪問査定の場合は不動産鑑定士が実際に物件を訪れ、その内部などを確認しながら査定を行わなければなりません。したがって、査定作業には1～3時間程度の時間がかかることになるでしょう。ただし、訪問査定の所要時間は物件の大きさに比例するため、例えば小型の戸建て住宅などの場合は1時間もかからずに結果を提示してもらえることもあります。

価格決定根拠

不動産買取において業者が提示する価格は、国が決定する「地価」と「減価償却」を根拠としているのです。これらの根拠は不動産買取を行うすべての業者が共有すべきものであることから、価格決定根拠の基礎的な部分に関しては、いずれの業者でも同じということができます。

価格における業者ごとの違い

実際には査定を経て提示される買取価格は業者によって異なります。これは業者によって適正価格の基準が異なるためで、例えば薄利多売で買取・販売を行っている業者であれば、他の業者よりも高い金額で買取を行うことも可能です。

一方で上述したように査定における価格決定根拠の基礎的部分はどこの業者でも同じであることから、複数の業者の間で査定価格に極めて大きな差が生じるということはほとんどありません。