魔法の絨毯でお馴染みの「ペルシャ絨毯」を半年使ってみて

本日も当ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回ご紹介させていただくのは、少々ハードルが高く感じられる

「ペルシャ絨毯」

【ペルシア絨毯って?】

ペルシア絨毯は、イランで生産され続けている絨毯です。

イラン文化、芸術を代表する極めて優れた芸術工芸品の一つで、その起源は

紀元前の古代ペルシアにまで遡ることができます。

床面の敷物だけでなく、壁飾りやテーブルクロスとしても用いられてきました。

 

【素材について】

ペルシア絨毯の素材としてもっとも多く使用されているのは「羊毛」です。

様々な品種の羊からとられたものが使われていますが、「コルクウール」を使用したペルシャ絨毯の触り心地は段違いです!

「コルクウール」って?

生後、初めて刈られる子羊の羊毛のことで、特に高級!

非常に細かく柔らかいため適しないように思えますが、撚りを多く細かい糸を必要とする

「高密度の織りの絨毯には欠かせない」存在です。

 

【絹(シルク)について】

絹(シルク)のペルシア絨毯は、その希少性と価値から、

海外では床の敷物ではなく「壁飾り(タペストリー)」として使用されることが多いです。

絹(シルク)は羊毛に比べて高価ですが、耐久性の面からみると羊毛(ウール)より劣ります。

【図案(柄)について】

イランの面積は日本の約4.4倍!

産地ごと、あるいは家系ごとに様々なデザインが継承されており、それらの多くはシンプルで直線的な文様です。

このような文様を絨毯に表現する際には、特別な下絵などを使用せず、

職人さんの記憶経験想像のよって製作されることが多いです。

最近人気の「トライバル・ラグ」は、このようにして製作されたものが多いです。

 

曲線で構成される複雑な模様の場合は、

前もって用意された下絵のデザインと色調を絨毯のサイズに合わせて写し取っていきます。

 

生涯無縁だと思っていたペルシア絨毯。

私が企画をするようになり早5年が経ちました。

いろいろな絨毯メーカーさんと打ち合わせをし、催事を重ねる度に

「自分の価値観に合った絨毯」

というものが見えるようになった前回の絨毯展で

 

やってしまいました。

 

ペルシャ絨毯 カシャーン(ビンテージ) 2m × 3m

 

こちらのペルシャ絨毯は「ビンテージ」品になります。

「ビンテージ」というと

何十年も日の目を浴びず、

倉庫の片隅で眠っていた幻の逸品!

というドラマチックなイメージがあった私。

 

海外の方とは大きく考え方が違ったようで、

実際使われていたものを、

綺麗に「クリーニング」した絨毯

ということ。

新品と比べると多少ダメージがあるものの、

室内で使うにあたっては全く問題ないレベルの絨毯というのが私の見識。

 

今回購入した絨毯は

「どこかのショップで展示されていた絨毯」ということで、傷みやすい房部分や両サイド部分は

ノーダメージ!

気になるところとすれば、若干の色焼けくらい!

目の細かさ、大きさを考えるとかなりの破格でしたので、

悩みに悩んだ結果購入に至りました。

 

絨毯をお迎えした当日の写真

 

【ペルシア絨毯を購入してみて】

ペルシア絨毯をお迎えした初日に愛犬がお〇っこ。

あの日から半年経過しました。

羊毛(ウール)で出来ている自宅のペルシア絨毯の表面温度は、1年を通して20℃くらいに保たれていますので

夏はヒンヤリ

冬はあたたかい

性質を持っています。

確かに今年の夏、ペルシア絨毯の上で何度も昼寝をしましたが

超快適でした笑

 

明るめの色を選んでしまったので、

こまめに拭いた方がいいかな?と思っていたのですが

全く気にならない!

羊毛(ウール)の脂分で、ある程度の汚れは弾いてしまいます。

メンテナンスと言えるかどうか分かりませんが、

「ゆっくり目に沿って掃除機をかけるだけ」で終了。

 

びっくりしたのが「床の色焼け」

オークの挽板を床材として選んだので、

「そんなに色焼けはしないだろう」と高をくくっていたのですが、季節、気分によって動かす家具や家電の下をよくよく見ると

ばっちり“跡”がついてしまいました。

が、このペルシア絨毯の下は、これだけの大きさがあるにも関わらず

色焼けの跡が全くわからない!

手織り絨毯は縦糸に横糸を一つ一つ「結んで」いきますので、顕微鏡のような物で見れば多少隙間が空いています。羊毛(ウール)の特徴でもある調湿作用も相まって

色焼けが穏やか

なのかもしれません。

 

前回の絨毯展で、

ペルシア絨毯を購入して「よかったか?」と聞かれると

値上がりし続ける「化繊のカーペット」を今後買う必要がなくなったので

 

たぶん、よかったです。

 

破格とはいえ正直「高い」です。

今はまだ “憧れのペルシア絨毯” を手に入れたという「ただの自己満足」に浸っているだけなのかもしれません。

 

絨毯展当日、

片言で話すイランの販売員の方と妻がこんな話をしたそうです。

 

「日本ノ方ハ、ミナサン、オ金持チデス。」

 

「カーペット。汚レタラ捨テル。新シイモノ買ウ」

 

「私タチハ、洗ッテ使ウ。直シテ使イマス。」

 

「日本ノ方ハ、贅沢デス」

 

長年受け継がれてきた大切な文化に、「お金」という形で対価を払う。

「高い安い」は個々の “気持ち” の問題で、

作ってくれた方の “気持ち” が、息子に伝わることを願います。

 

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